賽の河原

少し横になるわ

ボーリングコートが扇型に展開していく 。知らない女の子の隣に座って順番を待つ。タイトで短いスカートとペタペタとした革のソファの接着。彼女は座ると俺より小さく、立つと大きい。あっさりとしためちゃくちゃな一投目で床に這いつくばるような姿勢になった彼女はボールを目で追いかける。ガーター防止用の柵を交互に歪めながらいよいよボールが向かう先には、ピン型の透明なプラスチックに詰められた彼女のお気に入りの…

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ああ、でもそんなことはどうでもよかった。ボールを持ってきていないと気づいて立ち上がった時には、俺はもうそこにいない。酔っているのかなと思う立ちくらみはどこか別な場所へのジャンプだった。あるいはそこはボーリングコートのあった建物(外装は銀行)の隣。

 

アイスクリームを食べてお腹を壊した僕は、失神気味の微睡みにこんな夢を重ねる。

 

数十のレールの上を慎重に横切る。止まっている列車、ここで止まる列車、今から走り出す列車、ここを駆け抜ける列車、さまざまに、無秩序に、こちらになんか気を払わないでもしかしたら僕を跳ね飛ばしても気づかないかもしれないそれらに、気をつけて歩く。向こう側の丘に座っている小さな影を目指す。

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ビビビビ♪

ビビビビ♪

ヤンヤンヤンヤン

Fu〜⤴︎

イキ丸

中越しに網戸を閉じて台所に向かい棚の包丁を抜く。蛇口を捻って刃を濡らす。全てが急速に収束していく感覚。脳裏がパチパチと冷たく弾ける。この感覚はミサイルの警報に脅された時とそれからあの馬鹿でかい地震の時に味わって以来だ。心臓は驚くほど静かだ。誰かの計画通りかってくらいの驚くべき迅速さで全てが進行していく。

下の階のドタドタという物音が大きくなる。外では雨が降り出した。よく聞こえる。

玄関の電気をつけて濡れたままの包丁を握りしめる。

夕方に切った肉の脂がまだこびりついている。

折良く階段をかけのぼる音。軽くて運動不足の足音。

深呼吸をしてなるだけ力を抜いてしかし大きく鋭く何度か包丁を振る。びゅっ。実際には突くんだが。

 

それを妄想に留めたことで俺は毎晩のように下の住人から嫌がらせを受け続けている。

趣き

おもむろに鼻をつまんで息を止める遊びをしたら少し覚醒した感じがした。酔いも眠気も覚めた気がする。気がしただけ。

 

そういう遊びしたら興奮すると思う。女の子の息を止めて、最初はおちゃらけてるんだけど、こっちがいつまでもやってると、シリアスが差し込まれて、こいつは私を殺す気なんじゃないかという疑いが目に浮かぶのを見る。そこまではチキンレース、それでもやる、暴れ出す、やめない、おとなしくなって、意外と限界は遠いから、まだやって、失神しそうになったら、やめて、嫌われるけど、ものすごく興奮して、同時に落ち込むと思うが。いや、抵抗しているうちにやめた方が面白いかもしれないけど。

結局そんなドラマチックなことには縁がない。一人で部屋で寝るだけぽよ。

ぽやしみ〜